アパレル業界の情報管理システム Web-EDI「TOAS」

STORY

TOAS誕生ストーリー

Coming soon…

入荷・納品情報共有システム「TOAS」は、
豊田通商と東計電算の
共同開発プロジェクトから生まれました。
豊田通商 櫻田氏と東計電算 宮下氏に、
TOASが誕生するまでのストーリーを伺いました。

目の前にあることを少しずつ改善する

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豊田通商
櫻田

当社は、「サスティナビリティとは経営そのものである」という理念(※)の下で、多くの社会問題に目を向け、当社として取り組めることを模索しています。
その中でも私どもの部隊(繊維事業部)では、これまで長く、繊維・ファッション業界に携わってきましたので、当然、まずはこの業界の抱える課題に対してのサスティナビリティ向上の活動からスタートすることにしました。

私たちもこれまで物流関連システムの展開を長年続けてきた中でも、特にアパレル/ファッション関連の物流に携わる機会が非常に多かったですが、近年、この「サスティナビリティ」や「SDGs」という言葉に着目されるに連れて、今まであまり知られていなかった”アパレル業界”の課題が注目されるようになりましたよね。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

実は、世界的なSDGsの取り組みの中で、最も課題の多い業界の一つと言われているのがアパレル業界ですからね!
「大量生産、大量消費、大量廃棄」の環境負荷問題と、人手不足は特に深刻です。

当社にもアパレル販売員出身の社員がいますが、従業員の休みを回すのにも一苦労、急な欠員が出たときは、休みのスタッフが出勤するしかないことがザラだと言っていました。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

その上で、企業は有給取得率の向上にも努めなければならないですからね、現実はかなり厳しい状況だと思います。

今はRFIDがかなり浸透してきて、店舗では棚卸や会計の効率化が進み、物流センターでもRFID活用による入荷・出荷の数量検品はものすごくスピードアップしたと思います。
それをやり切った上で「さてまだまだ課題が残っているけど、これからどうしよう」という状態になっているのが、今のアパレル業界かなと思います。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

今は、物流センターへのシステム導入の目的は、「生産性向上」よりも「ヒューマンエラー削減」や「作業平準化」の意味合いが強まってきていると思います。
なので、アパレル業界の抱える環境負荷・人手不足の課題には、別の視点でリーチする必要がありました。

どこに着目しましたか?

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

「情報の繋がりが弱い」点です。アパレル業界は特にステークホルダーの多い業態です。
アパレル企業から製造依頼を受けたベンダー、その先の生産工場、繊維企業、第三者検品所、その他にもフォワーダーや通関業者など、”商品が作られてから国内に入るまで”にさまざまな関与者がいて、伝言ゲームのように情報のやり取りが行われています。
手段は主に電話・メール・FAXで、しかも、生産工程のメインは海外ですからね。どこかで情報が途切れたり、正しく伝わらなかったりしています。

WMS(倉庫管理システム)の運用をしていても、アパレル荷主企業の発注データを基としてセンターでは人員・作業計画を組みますが、いざ当日になると、予定日に商品が届かなかったり、数が足りなかったり、足りないせいでその後の出荷計画が崩れてしまったりしてリカバリーの対応に追われるのは、日常的なシーンになってしまっていますね。
また、予定していなかった商品が入荷してしまって、作業人員が配置されておらずトラックを待機させてしまったというのもよく聞く話です。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

ドライバーの労働時間の長さも大きな社会問題の一つですね。
なるべく正確な情報を把握して計画通り進めようと、アパレル企業の担当者は毎日毎日、メール電話メールメール電話で、ひたすら情報をかき集めて、センターの荷受け・出荷の計画を練って店頭販売日を調整して…と、必死になっています。
そして、多くのアパレル企業が、このアナログ且つ属人化したオペレーションが常態化してしまっています。

関与している企業が多くて、各社が使っているインフラも普段のオペレーションも違いますからね…。
在庫品を発注して納品してもらうようなシンプルな工程ではなく、原料調達を含めた生産が起点なのでなかなか当初計画通りにコトを運べないのが、アパレル業界の特徴でもあり辛いところですね。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

はい、そう思います。
まずは「人手不足」の解消に向けて、この情報のやり取りをクラウド上に集約して全員が同じ粒度の情報を、共通の基盤でいつでもどこでも登録できる・照会できる、そんなプラットフォームを作ろうとして企画したのが「TOAS」です。

大元である「発注情報」、ベンダーから連絡される「納品情報」、実際に物流センターに納品されで庫内で検収した「入荷情報」を三位一体の情報としてステークホルダーがいつでもどこでも登録・照会できるようにして、情報が漏れてしまったり、古い情報を最新と勘違いしてしまうことを防ぎ、何よりアパレル企業の”調整”という、極めて属人的な業務を排除できると考えました。

私の知っているアパレル企業でも、この”調整”を担える人が2人しかいなくて一つのExcelに情報を上書きして更新しているようでしたが、どうしても完璧な管理はできないですし、計画通りの入荷ができなかったときは、多くの人を巻き込んでリカバリーする必要があり、リソースが一気に枯渇すると嘆いていました。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

当社は商社ですので、調達物流をコントロールすることの難しさはよく理解しているつもりです。
TOASは、豊田通商グループの物流チームでも利用しているのですが、利用開始以前に、”調整”にかかっていた莫大な時間コストを削減できただけでなく、物流センターは精度の高い入荷予定情報を事前にキャッチできるようになったことで荷受け計画の適正化・省コスト化にも効果を発揮しています。
トラック待機も減らせているので、上手く調達物流が機能してきいることを実感しています。今は、オペレーションに欠かせないインフラとして、TOASが日々の業務を支えています。

当社でTOASを開発して導入もお手伝いさせていただきましたが、機能をシンプルにまとめたことで、簡単な操作説明のみで短期間で運用開始でき、すぐに使えるようになってもらえることもポイントだったかなと思います。
せっかく導入しても、使ってもらえないことには情報集約できないですからね。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

マニュアルも充実してますからね!

最後に、今後更なるサスティナビリティ向上を目指すために考えてることを教えてください。

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東計電算
宮下

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豊田通商
櫻田

今後は、店舗やECの販売実績をTOASにフィードバックして季節・商品ジャンル・価格帯などの多角的な視点で生産計画の分析ができる機能を実装し、廃棄される衣類を0にすること目標とした、これからの時代に欠かせないITインフラへと成長させていきたいと考えています。

食料・生活産業本部 繊維事業部
コンシューマープロダクツグループ
グループリーダー
櫻田 剛博

物流システム営業部
システム1課
課長
宮下 佳国

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